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「見てみろ」

戦場は惨状だった。
挽き肉みたいになっている遺体が大量に転がっている。
衣類でどちら勢力か辛うじて判別出来る程度だ。

「相手の重い一撃が兵士をミンチにした。
で、ルチルはそれを見て
『これくらいしないと倒した事にならない』
と思い込んでゴロツキをミンチにする。
相手は報復されたと思い報復返し……」

小脇に抱えた少尉…の頭に現実を突き付ける

「でも判っていて仕掛けさせた可能性もあるか?
屑行為と判っていてやる屑だっているからなあ、私みたいに」

嘲笑いながら突き進むと

「………おやっ!貴方は!」
「よう、良いの持っているじゃないかルチル」
「天魔の刀という素晴らしい物です!」

服はボロボロ、服の下は更にボロボロだろう。
素晴らしい物を活かしきれずに片腕は折られて
立ち上がれないくらいに足は折られていた。
爽やかな笑顔も、折れた歯とあちこち切れた口元で台無し。
これで生きているのは額に貼った札の力のお陰だろうけども…
心が折れてないのはルチルの芯の強さだ。

「呪いの弱点が見事に突かれてんな。
近づかないと大概効果も届かん。」
「困りましたねえ
あの方とても遠い所から攻撃しなさるのですよ」
「魔法陣展開しながら鉄球振り回すからな
あいつを中心に近づけないのは当然……
だが2つ届くモノがある。
…おい!ユークレース!!」

遠方にいる巨漢に向かい、叫んで名を呼ぶ。
一つは声、もう一つは『これ』だ。

「受け取れ、こいつが元凶だ!!
煮るなり焼くなり好きにしな!!」
「なっ?!き、貴様約束が違……」
「あ!少尉、いらしたのですね!
小さくなっちゃって判らなかったですよ〜」
「今はそんな………
ああああぁぁぁぁ…………!!」

投げられた頭は放物線を描いて飛んでいき
ユークレースはロングパスを受け取る。
しばし見つめ合う……

「あっ、引き返していますよ!」
「あいつも迎え討っていただけってわけだ。
さて私達も引き返すか。
札はよ、無敵というわけではなく
あくまで死ににくなるだけだから
効能が無くなる前に治療しないと私達も死ぬぞ。」
「それは困りましたねえ、では引き返しましょう!」

こうして、無駄に血を流していた意味のない戦は終わりを告げた。
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