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「ところで、あの御札は何処でご購入されているんですか?
素晴らしい物ですから、さぞかし入手困難なのでしょうねえ」

当然の疑問を投げかける。
普段なら適当に流すのだが、気分が良いので答えてやった。

「そりゃあな、安くはないぜ。
さっきも言ったがこれは私の商売道具だ。
だが費用と言えば紙代だけさ。技術代はタダ。
何故だと思う?」
「もしや貴方がお作りに?」
「当たり〜。そうだ。」
「それは素晴らしい!
画期的な性能じゃあないですか!
一体どうやってお作りになられているのです?
字が難しくて読めはしませんが
この青い字が達筆な事だけは僕でも判りますよ!」

判らないのも無理はない、古代由来の字を
私の癖の強い書体で書き殴っているのだから
有識者でも読めるのはほんの一握りだ。

愛剣を取り出し、その刃を徐に腕に食い込ませる…
皮膚を裂き、筋を絶つ。
当然出血をするが、其処から後は常人とは異なる。

「青い、液体…?」
「血だよ。私の異能でこうなる。
青いだけじゃあない、これで書いた札が
苦痛を忘れさせる札となる…」

懐から取り出した紙に、青い血塗れの指を走らせる。

「『蒼い心臓の護符(ハートフルハームフル)』だ。
お前に一枚サービスしてやろう」
「わあ、ありがとうございますっ」

喜んで呪いの札を受け取るルチル…

「……で、……なんですが…」
「え?聞こえねえぞ」
「え?ですから…………」

妙だ
ルチルが急に声が出なくなったわけでもなさそうだが
声がこちらに届かない。

「………と思って、如何でしょうか?」
「何を………あ……」

段々激しくなる耳鳴り
徐々に狭くなる視界がフェードアウトすると
意識も同様にフェードアウトした。



ラピスラズリは失血による貧血を起こして、その場で気を失ったのだ。
加減と切る箇所を誤り、急激な失血をしてしまった結果である。

訳も判らず、声を掛けたり揺さぶったりもしたが
応答のない相手に対してルチルが出した答えは………

「寝ちゃったんですね!
ベッドまでお運びしましょう!」

止血というよりかは
血が周囲を汚さぬようにといった感じに大雑把に腕に布を撒いて
ベッドに横たわらせた。

「おやすみなさい、ピース。」
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