忍者ブログ
「お前、ガタイ良いけど何処で喰ってきたんだ?
やっぱり戦場か?」
「え?食事なら屋内でしますよ?」
「そ〜〜〜じゃなくてっ
肉だよ、人肉!
どんだけ喰ったんだ?」
「はあ、人のお肉ですか?
どうでしょう、わかりませんねえ。」

どうやら本気のようだ。
間食以外の飲食物は管理されているらしく
様々な手のこんだ料理を差し出されるが
例えば肉が何の肉かは説明がないし
得体のしれないペーストの塊を出された事もあるそうだ。

「なんでも美味しかったんで
何を食べてるかは気にしていませんでしたねえ」
「留めろよそこは、やれやれ…」

と、酒のアテが欲しくなった所である事を閃いた。
というよりただの提案なのだが

「ちょっとツマミを持ってくるかな、私のオススメだぞ」
「何でしょう?是非お願いします」

にこにこと見送るルチルを尻目に愛剣片手に外に出た。

……ほんの20分もかからないうちに戻った。
空いていた方の手に持っていたのは
それはそれは真っ赤な風呂敷である。
赤過ぎて最早黒ずんでいる。

ルチルの目の前で落とした風呂敷は
ぐちょりと鈍い音を立てながら、ゆっくり広がった。

「これがおつまみですか?」
「そうだ、レバ刺し」
「へー!初めて聞きました、どうやって食べるんです?
ぬるぬるしていそうだからフォークが良いですかね?
それともお箸が良いですか?」
「フォークだな、これは脂身も多いから滑っちまう」

麦の風味が強い高級感ビールを片手に
もちもちとレバ刺しを喰らう男2人…
味の感想は好評であったが
そもそもルチルは否定的な意見を出せるか怪しい所ではある。
だが今は、そんな些細な事はどうでも良かった。
楽しませる事が楽しかった。

お互い、新たに得た感覚に酔いしれていたのだ……
PR
Comment
Name
Title
Mail(非公開)
URL
Color
Emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment
Pass   コメント編集用パスワード
 管理人のみ閲覧
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
プロフィール
HN:
せるぶ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
Copyright ©  -- せるぶの落書帳 --  All Rights Reserved
Designed by CriCri Material by 妙の宴
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]