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カコの出張期間も終わり
地元アザルシスに戻ってから即大枚叩いて
知識人こと竜王ユークレースさんを呼んでもらい
異世界アルカナの逆位置で起きた事を洗いざらい話し
カード化のための術式確立を求めた。

「可能ですか?」
「可能だよ、ビスマスの異能の応用と思えば。
無限小矩形の概念をベースに相対性理論の………」
「ま、待ってください待ってください!
メモ取りながら聞かせてください!」

即超難解式を閃いて口にするからこの人は本当恐ろしい。
記録を残さぬまま埋もれた幻の式も数知れず。
天才ってこういう所あるよな………

サニディンさんを迎えに行っただけなのに
こんな大事になるなんて……

でも自然と口角が上がっているのが判る。
多忙には違いないけど確かに進展はあったし
何より味方が増えた実感がある事に
俺は喜びを感じているのだと思う。

勤めた当初は名前だけで顔も判らぬ大先輩が
遺し、或いは増やし続けた
訳の解らない仕事や超常現象を解決したり避けたりの
しんどい日々が続くばかりだった。
正直サニディンという個体の存在も
疑っていたくらいだ。
理屈で判っていても不器用な手先は
なかなか想いを出力してくれず
何故できないのかと、自分でも答えられないのに
知識人?ターフェアイトさんに責められる事多数…



とある日。
俺は一枚選んでみた。
輝く小さな平面…
其処から飛び出した人影は
滑らかな長い銀髪と整った顔としなやかなフォルムが美しい
あの女性であった。

「貴方はっ!たしかアレキサンドライトさんでしたよね?!」
「説明してくださる?私は今どういう状態なのかしら?」
「はい、貴方は今俺が作り出した異能のカードから出て実像化した存在です。
役目を果たしたら意識は即元に戻ります。
貴方の本体に記憶や触れた感触等は被害は及びません。」
「貴方が先日私等に許可取りをした行為がこれなの?」
「そうです。
ちなみに公平性と効力の関係上選出はランダムに
一人ずつにさせていただきました。」
「私達の拒否権は?」
「2回目以降ならあります。
……えーと他にはあります?」
「そうね、他の人の反応が見たいわ。
積極的に使って皆に貴方と同じ世界を見せなさい。」
「………はい!」

優しい笑みを頂いた。

こうして俺は新たに開発した異能『逆位置からの扉(リバーサイド)』で
アルカナ逆位置の住民との信頼と
サニディンさんとの繋がりを得たのだった。
さあどんどん片付けるぞ、書類という平面を……!
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