蟹〜
「そもそも建物は壊さないようにと言われたしね。
遺体は一旦断念したけど、手ぶらで帰るわけじゃ…
あ!う、腕!!」
「腕が無いのを忘れていたのかい。大したもんだ。」
体感的に久々な外はやはり暑くて眩かった。
欠損した腕を見せたら皆には驚かれ、カコからは激怒された。
常人の反応に安心しつつも
怖がらせたのは申し訳ない……
接合のためその日は動けず。
丸1日以上かけてのアナログな手術は
麻酔も足りなくなり腕の痛みと熱さで
眠気も何処かへ行って数日間は徹夜が続いた。
「すごいなあ。
切れた腕がくっ付いただけでもすごいのに
動かせるようになったって事は元に戻ったんだよね。
すごいなあ。」
すごいを連呼するスフェーン。
この世界においての医術や魔術のレベルだと
わずか数日で肉体が戻るというのは奇跡的な物であるらしい。
再び城に…しかし今度は逆位置には行かない。
ガイドは必要ないのだけど
右腕は当分の間動かすなよという忠告を
しっかり守れているかどうかの見張り役で
スフェーンは同行してきた。
見えてきたものから
なんと言えば良いやら。
「回収が難しいのはなんとなく伝わったよ。
それで、これからどうするんだい?」
「カコが帰るまで、調査を重ねていく。
もうあの人との付き合いは積み重ねありきだね。」
何を言い合っていたかは判らないけども
アノーソクレースと対面していたのを見た瞬間感じた。
サニディンさんは奴の運命の環に囚われているから
妙な繰り返しが継続しているのでは?
そんな仮説ができただけでも、今回は収穫あり…
そう思いながら、雨天を理由に外出を避けたその日に
文献を読み返していた。
何か見逃しはなかったかと思い、何気なく……
「えっ」
思わず声を上げたが、雨音は強く誰にも聞こえなかっただろう。
「四端の孤城…」
あの廃墟、無名だったはずなのに。
俺がメモに録った記録では確かに無名の小城だ。
…………まさか、アノーソクレースが仕掛けた?!
遺体は一旦断念したけど、手ぶらで帰るわけじゃ…
あ!う、腕!!」
「腕が無いのを忘れていたのかい。大したもんだ。」
体感的に久々な外はやはり暑くて眩かった。
欠損した腕を見せたら皆には驚かれ、カコからは激怒された。
常人の反応に安心しつつも
怖がらせたのは申し訳ない……
接合のためその日は動けず。
丸1日以上かけてのアナログな手術は
麻酔も足りなくなり腕の痛みと熱さで
眠気も何処かへ行って数日間は徹夜が続いた。
「すごいなあ。
切れた腕がくっ付いただけでもすごいのに
動かせるようになったって事は元に戻ったんだよね。
すごいなあ。」
すごいを連呼するスフェーン。
この世界においての医術や魔術のレベルだと
わずか数日で肉体が戻るというのは奇跡的な物であるらしい。
再び城に…しかし今度は逆位置には行かない。
ガイドは必要ないのだけど
右腕は当分の間動かすなよという忠告を
しっかり守れているかどうかの見張り役で
スフェーンは同行してきた。
見えてきたものから
なんと言えば良いやら。
「回収が難しいのはなんとなく伝わったよ。
それで、これからどうするんだい?」
「カコが帰るまで、調査を重ねていく。
もうあの人との付き合いは積み重ねありきだね。」
何を言い合っていたかは判らないけども
アノーソクレースと対面していたのを見た瞬間感じた。
サニディンさんは奴の運命の環に囚われているから
妙な繰り返しが継続しているのでは?
そんな仮説ができただけでも、今回は収穫あり…
そう思いながら、雨天を理由に外出を避けたその日に
文献を読み返していた。
何か見逃しはなかったかと思い、何気なく……
「えっ」
思わず声を上げたが、雨音は強く誰にも聞こえなかっただろう。
「四端の孤城…」
あの廃墟、無名だったはずなのに。
俺がメモに録った記録では確かに無名の小城だ。
…………まさか、アノーソクレースが仕掛けた?!
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