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「スー、たまには付き合いな。
あんた伴侶が出来てから益々顔を見せなくなったじゃないの。」
「あらぁ、キヨノ様。」

拠り所を持たぬこの男、用でも無いと主の前ですら姿を現さない。
世の移り変わりを観るのが好きであるとか、求めている人を捜しに出ているだとか
様々な噂が立つが真相は定かでない。数百年経った今尚そう。

腹の中を探るのは無駄であると、主であるキヨノは悟る。
理解すべきではなく、かと言って退けるものではなく、把握すべきその思想。

茶の甘い香りに釣られて、男の懐から白いモノが出てきた。蟹だ。
この個室は茶室。招かれざる者入るべからず。
この蟹は招かれざる者でありある意味招く者である怪異。

「死招を飼ってるのはあんたくらいさね。」
「かわいいもんですよお」
「そう言って呪いを抱えてばっかいて。
結婚も人生の墓場とか言ったもんだけど、あんたどれだけ抱える気なんだい。
抱え過ぎて腰曲がっちゃってんじゃないのさ。」
「お互い様ですよお」

生菓子よりずっと粘り気のある笑み。
喰らいついて離さなさそうな牙が見える。

「肉は?」
「一昨日頂きました。」
「そうかい、まだ生にしがみついてるようで何よりだよ。
で、未だにあんたにしがみついてるのと最近のも教えてくんないかい。」
「おや、言わずともお判りかと思いましたわあ」
「喧しい、そんだけ憑いてると何がなんだか見分けんのも一苦労なんだよ。」
「では振り返るとしますかね。」



呪いとは
絶対的なものであり
一際厄介なものであり
耐え難いものであり
それがアザルシスにおいての常識であったが
この腰曲がりで青白い肌をした食屍鬼スーパーセブンは
呪いを『人の手によりこの世に生まれた無垢なる存在』として
抱えて、愛で、解呪する風変わりな異能力者である。

もう幾つ抱えて幾つ解呪をしたかも忘れたが
今尚体と記憶に残る呪いについて振り返る事にした。

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