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猫背を更に丸めるスーパーセブン。
傍から見れば急に転寝を始めたように見えるだろう。
言わずとも異変を即座に見破ったキヨノは頭上を平手で振り払う。
首元をよく見れば、紐で強く締め付けられたような痕が判る。
それも3つ。
これも呪いの痕である。

「ああ〜、助かりました。三つ子ちゃんはいっぺんに来ましてねえ」
「密になった御子様は重いさね。あんたいつもどうしていたんだい」
「う〜ん。気を失って、目が覚めたら散ってるみたいな」
「あんた今までよく生きていたね?」
「おこさまにはおこさまですよう。しおちゃんや子供等が散らしてくれるのです。」



三つ子は皆同じ顔をしている。
複製といった人工物でなく、人が産んだ奇跡。
ただ、奇跡を産んだ母はいない。父もいない。
死別したのか置いていったのかは、誰も語らないので判らなかった。
親族の家に引き取られているようだが
保護者はいつも顰めっ面でシワだらけで、誰に似ているかも判らない。

三つ子は何をするにも同じ事をしていた。
同じ物を見て触れて、同じ衣服を身に着け、同じ量の飲食を摂り、同じ時間に寝る。
病で伏す時も、怪我をする時も、同じ。

とある日、知らない男を見つけた。若いが大人だ。
何者かは判らない。三つ子は男がそもそも事切れているのも判っていない。
男は首に紐を括り付けて宙吊りになっていて、足元には粗末な板材で出来た土台が転がっていた。
男を放っておいて三つ子は部屋に戻る。

何をしていたかの推理ごっこが始まった。
あれこれ他愛もない事を言い合いながら、状況再現してみようと紐と台を用意した。
試しに一人が紐を首に絡めると、紐はあっさり解けた。
形を保ちながら上手く固く紐の輪を作り
屋内の丈夫な上部を探し当て、固定に成功する。

そしてその時は、偶然にだがすぐに訪れた。

偶々足を滑らせた子、度重なる負荷で台が崩れた子、飛び乗った拍子に台が倒れた子。
同時に首が締まる。3人とも声が出ない。見る見るうちに赤い顔が青褪めてゆく。

そして動かなくなった。3人同時に。



保護者が3人の行方を知ったのは男の処理が済んでからである。

男は、3人の父親だが一方的に突き放された身。
大家主の生まれの嫁が婚約者がいたにも関わらず
気が浮つき、男と一夜を過ごし、3人同時に宿して身重になるも
三つ子は切開により3人同時に生み出された。
臍の緒が首に絡み付いたような異様な状態で
同時に引き上げないと危険であったらしい。
しかし負担が強かったようで生みの母は亡くなった。
細かく言えば、苦しみ悶ていたらベッドから転げ落ちて
器具の配線が首を締めたのが原因だと言われている。

保護者は、その生みの母の母親だ。
世間に娘の粗相を隠すために、娘に関わるものを屋内に封印してきた。
男が我が子の顔見たさに全てを擲って義母に交渉し続けたが
叶わぬ思いだと決心すると、その表明と言わんばかりに首を吊った。
婚約者も首を吊って自害したのを聞いたので
その懺悔でもあったのかもしれない。


だが、大家主には堪ったものではなかった。
立て続けに身内が同じ死に方をしたのだ。
最近は自身だけでなく来客さえも紐や台を見るだけで連想してしまい
三つ子の声の幻聴が脳内に響き、喉が詰まり苦しい日々が続く。
隠しきれなくなった風評により、ぎりぎりの経営が更に圧迫されるも
歳もあり今更家を手放す事も出来ない。


これを呪いとみた大家主は、スーパーセブンに解呪を依頼。
私を呼んで益々首が締まったでしょうと皮肉を言いつつ
スーパーセブンは風もないのに紐が揺らめく部屋に向かって

『どれ、どんな遊びをしたのかな。私も混ぜてくれないかい。』

そう提案すると、相手は気が乗ったのか身を委ねたのであった。
太い首に走る三つの締め痕、其処に三つ子がいる。
この子達はお互いがいる限り生死にも頓着が無く
3人がいる環境こそが3人にとっての世界である。

さて、三子の魂百までとは言ったものだが
100年とうに過ぎても遊び心が尽きないようだ。
不意に首を締められても困るが、屋内限定なのがまだ救いか。
天井知らずのがこの子達に合っているのかもしれない。
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