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服を着直し、ついでに茶を淹れ直して人数分差し出す。
一口啜る。

「まあまあかね。」
「渋いッス〜」
「ああっとごめんよ、しおちゃんのは此方だ。」

特に甘めに調整した方と交換した。
お子様舌だが蟹は自称グルメだ。

「アザルシスの呪いはそうして存在感を出したがって痕を遺すけど
さてまあ本場の呪いはどうなんだい。」
「本場の……ああ」

にちゃあ、と粘り気のある笑みを浮かべるが
特に粘り気がある気がする。

「美人さんが傍にいるといつも楽しいですよう」
「まったく、鼻の下伸ばしてだらしないね!」
「スーさんでれでれッス〜」


アザルシスは暗雲の結界に覆われた常闇の世界である。
海は澱み、土は穢れ、風は荒び…
陽は一部の者の特権により射し込むのみである。
住めば都と言ったものだが、アザルシスの住民は
闇夜にこそ安らぎを感じる風潮にある。
スーパーセブンもそう。
愛する伴侶から感じた既視感に安らぎを見たのかもしれない。
純白ならぬ純黒。

「黒く染まっちまってまあ。」
「喰われてしまいましたからねえ」
「子供の前でおよしっ」

鋭い手刀が脳天に炸裂。
大袈裟でなく悶絶する。
大呪術師であり巫女であるキヨノの一撃は、魔族や異形に鋭く刺さる。
我が強いが腕っ節も実際強い。

「でもまあ、あんたには合ってるかもね。
この世界を観せたからには責任持つんだよ、いいね?」
「ええ、逃げもしませんし逃しもしませんよう」

スーパーセブンならば呪いも伴侶となる…
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「スー、アザルシスで一番でかい呪いはなんだか判ってるのかい。」
「『アザルシスで』ならアザルシスですねえ。」
「その通りだ。」

細い人差し指をとんと床につける。

「この世界は元は名もなく無だった。」
「名が付けられたから無垢なものと化した。」
「白痴の神が呪った世界」
「白痴の神もまた無垢なるもの。
しかしだからこそ産み落としたものを育む術なぞ知らず。」
「そして連中が好き勝手に穢しちまうんだ。」
「ええ、でも、まだ十分間に合うと私は思いますよお」
「あんた、まさか抱えるつもりじゃないだろうね?」
「それは語弊があります。」

にちゃあ、と粘り気のある笑みが一際卑しい。

「これはアザルシスにいる者皆が既に抱える呪いなのです。
なので穢れもしますが、清まれもしています。
清濁併せ呑むとは言ったものです。」
「その言い方だと多方面から与えられ過ぎて
発育を阻まれている児のようにも聞こえるね。」
「そうです。
肥大した児、これぞ深きところに眠る、児が産み落とした児の呪い。」

はあ、と息を漏らす。

「スー、あたしゃねえ
当時食屍鬼9人同時に造られた際にあんた含む7人しか見れなかったんだけど
その7人の中であんたが一番出来が良いと思っていたんだよ。」
「ひょっとしてえ、名前の由来です?」
「出来が良いままでい続けなっていう呪い。」
「だからってスーパーセブンか〜………」
「茶化すんじゃないよ」
「茶の間じゃないですかあ、ふひひ」

内容の大半を理解できていないが
蟹は釣られて笑っていた。


アザルシスは、一世界として名も無き星を白痴の神が滅ぼしてから与えた名。
名付けられた事で世界が生まれた、即ち呪いも生まれた。
それがスーパーセブンの解釈。
彼はこの忌まわしい世界も抱擁しかねない変わり者だ。
理解すべきではなく把握すべき存在にて、キヨノが最も評価に値している者。
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