蟹〜
役割か、ふん。人工物なんてそんなもんか。
俺を造った奴は俺の才能に後悔するがいい。
便利能力のつもりで人様に迷惑かけてるだなんて思いもしてないだろう?
…痛む肩を堪えてバイクの容態を診る。
雑に飲み込まれたから電気系統とか特に不安だったが、無事なようだ。
ミラーやブレーキレバー部分といった先端部分にストレスかかった程度で済んでいる。
なんだよ軽傷じゃねーか……イマチヅキは無傷だし、一番負傷したの俺か…
…よし、広い道に出るか。街の外側目指してバイクで駆る。
「あ、フォシデひょっとして『ウロボロステイル』目指していた?」
そうそれ。
いつぞや工場にいた時、運搬業者が言っていたのをふと思い出した。
開けた道なら見通しも良いし官憲や何やらが追っても逃げ切りやすいだろうと。
…地平線が見える、もうすぐだ。
「もしもーし」
ん?イマチヅキか?いや、首を横に振って否定してんな?
「おにーさん、許可証ないでしょ。駄目だよ『そっち』行ったら」
このスピードで並行して声を掛けてくる奴だと?
フルフェイスヘルメットで素顔が判らん、革スーツの黒ずくめだ。
ゴツい高級バイクに乗ってやがるし、なんか気に喰わねえな…
「えっ、ま、まさか…?!」
「あらぁ後ろのかわいこちゃんが聞こえてるなら、私の声も届いているはずだよねえ?」
更に加速をしたかと思えば、先回りをして行く手を阻んできた。
此方も既にスピード出しきってるからもう避けれん、轢くしかないぞ?
激しく衝突、と思いきやこいつ…片足で前輪を止めやがった?!
反動でこちら側は一瞬宙に浮かび、激しくバウンド。
ケツを打ったのは俺だけでイマチヅキは飛んで衝撃を避けた。また俺だけ被害か。
「いいかい?『ウロボロステイル』は物流と要人を運んで支える大事な道。
許可なく割り込むと罰則が来ちゃうの。
私達のように同じ顔の者がやらかすと連帯責任負わされかねないんだよお?」
「ああっや、やっぱり?!同じ顔って事は食屍鬼…
しかも上位存在として公認でバイク乗りの個体、スーパーセブン?!」
「当たりぃ、私ってそんな有名人だったあ?」
ヘルメットを脱ぎあらわになった顔は、確かに青肌黒白目で同様の銀髪だが…
俺よりずっと顔色悪いし、にちゃっとして気持ち悪いぞこいつ…
なんでイマチヅキはこんな畏まってんだ?あと許可証が要るだと?
なら…こいつから許可証とやらを奪えば話は早いんじゃねえか?
と、脅してみるも動揺する素振りもなく、粘り気のある笑みを返してきやがった。
「お勉強させてもらえなかったのかな、かわいそうにねえ。」
そう来たかこの野郎、俺に喧嘩を売るのか?
「や、やめた方がいいよフォシデ!触ったら呪われちゃうかもしれないよ?!
呪いに掛かると死ぬほど厄介なんだよ、治す手段も滅多に無いの!」
は?呪い?いや確かに幸薄そうな面はしているが、まさか異能か?
「ああ〜、なんか中途半端に私の事伝わっているのね。まあいいけど。
とにかく『あっち』に君を渡らせるつもりはないよ。
仮に突破した所でえ、無許可で走ってる所見つけたら私がめっしちゃうよ?」
何を偉そうに…む?奴の荷台に見覚えのあるシルエットが…
鞘か?!長いエモノの?!ビクスバイトを連想した、が、こいつは強いのか?
いや、厄介な存在であるだけで十分強いか…
「と、とりあえず引き返そうよフォシデ〜!」
ちっ、イマチヅキも逃げ腰になっちまったな。
悔しいがエモノに加えてマジで呪われでもしたら厄介だ。
Uターンして別の道を探し始める事にした。
赤っ恥かいちまったなちくしょうめ···
「『ウロボロステイル』知ってて許可証持ってないとは思わなかったよ、も〜
あの人の言う通り、物流のための大事な道だからセキュリティが一際厳しいんだよ。」
なんだって、じゃあ運搬業やってる奴等はそれを予め備えていたってわけか。
…よく考えてみたらそうでもしないと野盗の格好の餌食になるか。
「そういうこと。知らずに走っていたら僕達木っ端微塵にされてたかも。」
容赦ねえな、見せしめのつもりか?
命拾いしたのは確かかもしれねえが、あの野郎に感謝したくねえや。
くそ、当時どうせ資格取るならそれを真っ先に取りたかったぜ。
マクロンハーツの事だから俺が逃げる術を失くすために黙っていやがったんだろうな。
俺を造った奴は俺の才能に後悔するがいい。
便利能力のつもりで人様に迷惑かけてるだなんて思いもしてないだろう?
…痛む肩を堪えてバイクの容態を診る。
雑に飲み込まれたから電気系統とか特に不安だったが、無事なようだ。
ミラーやブレーキレバー部分といった先端部分にストレスかかった程度で済んでいる。
なんだよ軽傷じゃねーか……イマチヅキは無傷だし、一番負傷したの俺か…
…よし、広い道に出るか。街の外側目指してバイクで駆る。
「あ、フォシデひょっとして『ウロボロステイル』目指していた?」
そうそれ。
いつぞや工場にいた時、運搬業者が言っていたのをふと思い出した。
開けた道なら見通しも良いし官憲や何やらが追っても逃げ切りやすいだろうと。
…地平線が見える、もうすぐだ。
「もしもーし」
ん?イマチヅキか?いや、首を横に振って否定してんな?
「おにーさん、許可証ないでしょ。駄目だよ『そっち』行ったら」
このスピードで並行して声を掛けてくる奴だと?
フルフェイスヘルメットで素顔が判らん、革スーツの黒ずくめだ。
ゴツい高級バイクに乗ってやがるし、なんか気に喰わねえな…
「えっ、ま、まさか…?!」
「あらぁ後ろのかわいこちゃんが聞こえてるなら、私の声も届いているはずだよねえ?」
更に加速をしたかと思えば、先回りをして行く手を阻んできた。
此方も既にスピード出しきってるからもう避けれん、轢くしかないぞ?
激しく衝突、と思いきやこいつ…片足で前輪を止めやがった?!
反動でこちら側は一瞬宙に浮かび、激しくバウンド。
ケツを打ったのは俺だけでイマチヅキは飛んで衝撃を避けた。また俺だけ被害か。
「いいかい?『ウロボロステイル』は物流と要人を運んで支える大事な道。
許可なく割り込むと罰則が来ちゃうの。
私達のように同じ顔の者がやらかすと連帯責任負わされかねないんだよお?」
「ああっや、やっぱり?!同じ顔って事は食屍鬼…
しかも上位存在として公認でバイク乗りの個体、スーパーセブン?!」
「当たりぃ、私ってそんな有名人だったあ?」
ヘルメットを脱ぎあらわになった顔は、確かに青肌黒白目で同様の銀髪だが…
俺よりずっと顔色悪いし、にちゃっとして気持ち悪いぞこいつ…
なんでイマチヅキはこんな畏まってんだ?あと許可証が要るだと?
なら…こいつから許可証とやらを奪えば話は早いんじゃねえか?
と、脅してみるも動揺する素振りもなく、粘り気のある笑みを返してきやがった。
「お勉強させてもらえなかったのかな、かわいそうにねえ。」
そう来たかこの野郎、俺に喧嘩を売るのか?
「や、やめた方がいいよフォシデ!触ったら呪われちゃうかもしれないよ?!
呪いに掛かると死ぬほど厄介なんだよ、治す手段も滅多に無いの!」
は?呪い?いや確かに幸薄そうな面はしているが、まさか異能か?
「ああ〜、なんか中途半端に私の事伝わっているのね。まあいいけど。
とにかく『あっち』に君を渡らせるつもりはないよ。
仮に突破した所でえ、無許可で走ってる所見つけたら私がめっしちゃうよ?」
何を偉そうに…む?奴の荷台に見覚えのあるシルエットが…
鞘か?!長いエモノの?!ビクスバイトを連想した、が、こいつは強いのか?
いや、厄介な存在であるだけで十分強いか…
「と、とりあえず引き返そうよフォシデ〜!」
ちっ、イマチヅキも逃げ腰になっちまったな。
悔しいがエモノに加えてマジで呪われでもしたら厄介だ。
Uターンして別の道を探し始める事にした。
赤っ恥かいちまったなちくしょうめ···
「『ウロボロステイル』知ってて許可証持ってないとは思わなかったよ、も〜
あの人の言う通り、物流のための大事な道だからセキュリティが一際厳しいんだよ。」
なんだって、じゃあ運搬業やってる奴等はそれを予め備えていたってわけか。
…よく考えてみたらそうでもしないと野盗の格好の餌食になるか。
「そういうこと。知らずに走っていたら僕達木っ端微塵にされてたかも。」
容赦ねえな、見せしめのつもりか?
命拾いしたのは確かかもしれねえが、あの野郎に感謝したくねえや。
くそ、当時どうせ資格取るならそれを真っ先に取りたかったぜ。
マクロンハーツの事だから俺が逃げる術を失くすために黙っていやがったんだろうな。
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